平成28年地価調査結果について(久留米市)

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平均変動率で住宅地が横ばい、商業地の下落幅はさらに縮小。

〇住宅地

継続地点35地点中、上昇12地点、横ばい8地点。特急停車駅(JR久留米駅、西鉄久留米駅、花畑駅周辺)では、分譲マンション素地需要は相変わらず高いが、販売の方の供給過剰感から久留米-35は+3.7%(前年+4.7%)と鈍化傾向。旧久留米市中心部(諏訪野町、野中町等)では校区による選別傾向もある中、戸建住宅用地需要が安定。分譲マンションは、新築及び中古共に特急停車駅周辺の徒歩圏や、中心市街地に近い物件は概ね好調であるが、郊外部ではやや苦戦気味である。

戸建住宅は、総額2千万~3千万円程度のミニ開発分譲が活発化。上津バイパス周辺(-7・-14)では、生活利便施設の充実、東合川野伏間線全線開通効果を反映するなど、+3%~3.4%程度の上昇。この傾向は同街路に近い国分町エリアまで波及している。JR久留米駅東側(-12)では、新たな再開発事業等の期待感を背景に、地価の値頃感から+3.9%の上昇率が続いている。地価公示ではプラス傾向であるが、地価調査でもようやく±0%と下げ止まった。城島、田主丸、北野町の下落幅は前年並みのため、市街地の上昇幅拡大が吸収した形になっている。

〇商業地

継続地点9地点中、上昇2地点、下落5地点。商業需要全般が停滞傾向にあるが、昨年と比べて縮小している。中心市街地11の商店街空室率調査によれば、H21の26.8%を最高に、H28.6は317戸中59戸の空室で18.6%と長期的に若干回復傾向にある。今回の調査では西鉄久留米駅西側にも比較的高値の取引が見られるようになっている。国道210号沿いの2地点(櫛原・合川バイパス沿い)は上昇傾向にあり、郊外路線商業地域が強い傾向は継続、「ゆめタウン久留米」がH27.11に増床オープンした(増床部分16,000㎡、総工費30億円)。また、久留米シティプラザがH28.4.27に開業し、休日を中心に六ツ門地区の人通りが増加している。明治通りの事務所街は、統計はないものの高い空室率であったが、長年の地価下落によって単価的には分譲マンション用地への移行も視野に入るため、今回横ばい傾向になっている。

〇工業地

ダイハツ九州久留米工場(田主丸町)の生産ライン増設とエンジン開発拠点のH26年3月開設が発表されたほか、H25年7月には将来における車台開発等の研究開発機能拡充方針が発表されている。藤光産業団地(藤光町・荒木町)には、H24年11月にセイブ、日本生物製剤の進出、H25年9月にエクシス、九電工の進出、H26年7月には茅島産業と三油物流の共同進出、H27年8月にはJAうすきたまごファームの進出が発表された。九州内の流通業務施設適地としては、隣接の鳥栖市が全国的に人気であるが、用地等が限定的であるため、二番手ながら当市内への進出傾向も強い。久留米9-1は久留米ICからの利便性や長年の地価下落により、今回の調査でも横ばいが続いている。

2016年11月27日