平成28年地価公示結果について(久留米市)

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平均変動率で住宅地・商業地ともに上昇幅が拡大。

〇住宅地

継続地点32地点中、上昇13地点、横ばい9地点、下落10地点。特急停車駅(JR久留米駅、西鉄久留米駅、花畑駅)周辺では、相変わらず分譲マンション素地需要が地価を押し上げ、久留米-23は+3.8%の上昇。中心部では校区による選別傾向もある中、戸建住宅用地需要が安定。新築分譲マンションは、予定も含めて約10棟の供給がある。新築及び中古共に特急停車駅周辺の徒歩圏や中心市街地に近い物件は概ね好調であるが、郊外部ではやや苦戦気味である。

戸建住宅は、総額2千万~3千万円程度のミニ開発分譲が活発化。上津バイパス周辺(-5)では、生活利便施設の充実、東合川野伏間線全線開通効果を反映するなど、+4.0%の上昇。この傾向は同街路に近い国分町エリアまで波及している。

地価調査では平均変動率で▲0.1%とマイナス基調だったが、今回地価公示では+0.3%と上昇基調。地価調査では、地点構成が三潴町以外の旧郡部が11地点、地価公示では旧久留米市の地点が多いため、平均変動率ではプラス基調となっている。

〇商業地

継続地点12地点中、上昇6地点、横ばい2地点、下落4地点。商業需要全般が停滞傾向にあるが、上昇地点と下落地点がはっきり分かれている。中心市街地11の商店街空室率調査によれば、H21の26.8%を最高に、H27.12は308戸中59戸の空室で19.2%と長期的には回復傾向にある。なお、近年では分譲マンション用地以外では、西鉄久留米駅西側より、東~南東側に高値取引が見られるようになっている。久留米シティプラザがH28.4開業を控え、周辺の六ツ門地区2地点(5-5・5-6)が前年に引き続き上昇基調。路線商業地域も上津バイパス沿い(5-10)は上昇基調継続、昨年には「ゆめタウン久留米」が増床オープン(増床部分16,000㎡、総工費30億円)するなど好調である。

〇工業地

ダイハツ九州久留米工場(田主丸町)の生産ライン増設とエンジン開発拠点化が進行、さらにH28.1には吉本工業団地周辺に久留米市による約34haの新産業団地造成計画が発表された。藤光産業団地(藤光町・荒木町)には、H24.11にセイブ、日本生物製剤の進出、H25.9にエクシス、九電工の進出、H26.7には茅島産業と三油物流の共同進出、H27.8にはJAうすきたまごファームの進出。九州内の流通業務施設適地としては、隣接の鳥栖市が全国的に人気であるが、用地等が限定的であるため、二番手ながら当市内への進出傾向も強い。既存の中小工業地おける取引は、長年の地価下落により、下落幅は大幅に縮小傾向である。

2016年5月13日