平均変動率で住宅地が前年並みの上昇率、商業地は前年から上昇率が拡大。
○住宅地
継続地点37地点中、上昇14地点、横ばい11地点、下落12地点。特急停車駅(JR久留米駅、西鉄久留米駅、花畑駅)周辺では、相変わらず分譲マンション素地需要が地価を押し上げ、久留米-23は+3.6%の上昇。中心部市街地周辺では校区による選別傾向もある中、戸建住宅用地需要が安定。新築分譲マンションは、予定も含めて約11棟の供給がある。新築及び中古共に特急停車駅周辺の徒歩圏や中心市街地に近い物件は概ね好調であるが、郊外部ではやや苦戦気味である。
戸建住宅は、総額2千万~3千万円程度のミニ開発分譲が活発化。上津バイパス周辺(-5)では、生活利便施設の充実、東合川野伏間線全線開通効果を反映するなど、+4.0%の上昇。この傾向は同街路に近い国分町エリア(-9、-11)まで波及している。
H28地価調査では平均変動率で±0%と横這い、地点構成が需要の弱い三潴町以外の旧郡部に11地点あるためで、地価公示では旧久留米市の地点が多くこのような上昇基調の平均変動率となっている。
○商業地
継続地点15地点中、上昇7地点、横ばい4地点、下落4地点。上昇地点と下落地点がはっきり分かれている。中心市街地11の商店街空室率調査では、H21の26.8%を最高にH28.11は319戸中56戸の空室で17.6%と長期的に回復傾向。H28秋期歩行者通行量調査では、10地点合計で平日が前年比111.5%、休日が156.4%と特に六角堂前、ライオンパーク前、岩田屋前が驚異的な伸びを示している。分譲マンション用地以外でも、西鉄久留米駅西側も含めて、東~南東側を中心に高値取引が見られる。H28.4に開業した久留米シティプラザ、正面の明治通り側に設定されている5-6が+5.2%と筑後地区1位の上昇率を示したほか、天神町の5-8が+5.1%である。路線商業地域も上津バイパス沿い(5-10)は上昇基調継続、一昨年には「ゆめタウン久留米」が増床オープン(増床部分16,000㎡、総工費30億円)するなど好調である。
○工業地
吉本工業団地周辺に久留米市による約34haの新産業団地造成計画がH28.1に発表された。現在分譲中の工業団地である藤光産業団地(藤光町・荒木町)には、10区画中8区画が進出済など当市工業団地への新規進出状況は安定している。九州内の流通業務施設適地としては、隣接の鳥栖市が全国的に人気ながら用地が不足しているため、二番手ながら当市内への進出傾向も強い。既存の中小工業地おける取引は、下落幅が大幅に縮小傾向であり、9-1は今回±0%となった。