3月18日夕方、平成27年1月1日時点の公示地価が発表されました。久留米の概要については私が分析した結果は以下です。
○住宅地
継続地点32地点中、上昇12地点、横ばい10地点、下落10地点。JR久留米駅、西鉄久留米駅、花畑駅周辺等中心部の利便性の高い地域では、分譲マンション素地需要が地価を押し上げ、久留米-23は+3.9%の上昇。分譲マンションは、新築及び中古共に特急停車駅周辺の徒歩圏や、中心市街地に近い物件は概ね好調であり、今後も新規供給が多く見込まれる。中心部周辺では中古も含めて戸建住宅需要も安定。上津バイパス周辺では、生活利便施設の充実、東合川野伏間線全線開通効果を反映するなど、地価の値頃感を背景に+3%程度の上昇。新築着工件数も増加傾向が継続、戸建・共同住宅共に安定。旧久留米市中心部周辺地域では、校区による選別傾向もある中、安定した戸建住宅需要を背景に上昇傾向。やや郊外の地域でも殆どが安定局面にあり、横這い又は昨年より縮小した下落幅で推移している。一方、利便性が低い旧郡部や調整区域においては、昨年並み又はやや縮小傾向の下落幅で推移している。
○商業地
継続地点12地点中、上昇6地点、横ばい1地点、下落5地点。商業需要全般が停滞傾向にあるが、全体的に昨年と比べて縮小している。中心市街地11の商店街空室率調査によれば、H21の26.8%を最高に、H26.11は332戸中61戸の空室で18.4%と長期的に若干回復傾向にある。業種としては、旧来からのアパレル等服飾・雑貨関係は減少、飲食関係(居酒屋等)が増加。なお、近年では西鉄久留米駅西側より、東~南東側に高値取引が見られるようになっている。上津バイパス沿いは久留米ICまでの全線開通を受けて利便性の向上から地価も上昇傾向、郊外路線商業地域が強い傾向は継続しており、「ゆめタウン久留米」の増床計画がH27年1月に発表された(増床部分16,000㎡、総工費30億円、年内オープン予定)。約20年間下落が続いた六ツ門の2地点が今回上昇、「久留米シティプラザ」工事進行や「新世界地区第二期工区」始動により従来の更地から街並みが変化しつつあり、価格に期待性が反映された取引も見られるようになった。
○工業地
〇ダイハツ九州久留米工場(田主丸町)の生産ライン増設とエンジン開発拠点のH26年3月開設が発表されたほか、H25年7月には将来における車台開発等の研究開発機能拡充方針が発表されている。藤光産業団地(藤光町・荒木町)には、H24年11月にセイブ、日本生物製剤の進出、H25年9月にエクシス、九電工の進出、H26年7月には茅島産業と三油物流の共同進出が発表された。H23年10月には閉鎖したパナソニック電工(城島町)跡地に健康機能器具メーカー進出。既存の中小工業地おける取引は、取引事情を含みながらの供給圧力が強いが、下落幅は縮小傾向である。
(変動要因)
・人口は平成25年5月以降増加傾向に転じている
・東合川野伏間線全線開通(H26年3月21日)
・豆津バイパスの整備(H24年3月24日)
・国道3号鳥栖久留米道路(久留米IC~鳥栖間の国道3号バイパス)等事業中
・久留米シティプラザがH27年度オープンを目指して平成25年11月に建築着工
・JR久留米駅西口には久留米市が4階建214台の立体駐車場建設を発表、H26年4月利用開始
・六ツ門の新世界地区(第二期工区)優良建築物等整備事業が始動
・ダイハツ九州エンジン開発部門の久留米拠点化進行
・ゆめタウン久留米増床計画(増床部分16,000㎡、総工費30億円、年内オープン予定)の発表